アルミナ Al2O3 -絶縁性,耐熱性,耐食性,安価[アルミナセラミックス]

アルミナ Al2O3

アルミナ(Al2O3)は、セラミックス業界では非常に一般的な素材です。正式名称は酸化アルミニウムといいます。。
特徴は硬度や圧縮強度など機械的性質に優れ、酸やアルカリにも強く、耐食性に優れています。また電気絶縁性も一つの特徴でしょうか。
このようなセラミックスの代表的な特徴を生かして研磨剤、高融点を生かして耐火物として使われます。炭化珪素(SiC)やジルコニアに比べて安価なのでセラミックスは使われやすいと言えます。

目次

アルミナ(Al2O3)の性質-絶縁性、耐熱性、耐食性、安価
アルミニウムAlを酸化(O)して製造する。
アルミナAl2O3は両性酸化物 amphoteric substance
テトラヒドロキソアルミン酸ナトリウム
水酸化アルミニウム
カラーセラミックス
アルミナは日焼けする
アルミナの結晶
アルミナAl2O3の用途
製造法:バイヤー法
製造法:アンモニウムミョウバン熱分解法
製造法:有機アルミニウム加水分解法
製造法水中放電酸化法

アルミナ(Al2O3)の性質-絶縁性、耐熱性、耐食性、安価

冒頭にも述べましたが、アルミナAl203は、セラミックスとして、ものすごくバランスがいい素材です。
・絶縁体が高く電気を通しません。
・耐熱性が高く、2000度程度までもちます。
・化学的に安定しており、耐食性にも優れている
・セラミックスの中では、比較的安価

アルミニウムAlを酸化(O)して製造する。

アルミナは(Al2O3)という化学式からわかる通り、アルミニウムAlを元素として持っています。アルミニウムAlというのは、いわゆるアルミニウムで、1円玉に使われていることで馴染みがありますね。1円玉に使われているぐらいですから、軽くて加工しやすい、安価である(豊富である)、という特徴を持っています。これを酸化すれば、アルミナ(Al2O3)ができるわけなので、セラミックスの中でも比較的安価だな、ということも想像できると思います。

アルミナAl2O3は両性酸化物 amphoteric substance

ここで、アルミナ(Al2O3)には、両性酸化物という性質があることをおさえておきたいと思います。両性酸化物というのは、酸に対しては塩基として働き,塩基に対しては酸として働く酸化物と定義されます。では、酸や塩基とはなんでしょうか。
酸化の定義とは、水溶液中においてプロトン (H+) を出す物質とのことである。
塩基の定義は、酸化のそれと逆で、酸に対して影響が与えられた物質である、といえます。
アルミニウムは両性酸化物として、アルミナAl2O3には、プロトン (H+)を受け取ることもできるし、与えることもできることといえます。
なお、両性酸化物には、アルミナのほか、亜鉛、スズ、鉛、ベリリウムなどがあります。

テトラヒドロキソアルミン酸ナトリウム

Al2O3 + 6HCl → 2AlCl3 + H2O
Al2O3 + 2NaOH + 3H2O → 2Na〔Al(OH)4〕

水酸化アルミニウム

Al(OH)3 + 3HCl → AlCl3 + 3H2O
Al(OH)3 + NaOH → Na[Al(OH)4]

カラーセラミックス

アルミナは鉄を含ませると色が変わる性質をもっており、カラーセラミックスを作ることができる。

アルミナは日焼けする

アルミナは一般的には白色をしていますが、赤外線の影響で黄色く変色することがあります。そのため、アルミナをあつかっている工場ではLEDの蛍光灯や赤外線を遮る特殊な窓などを使っていることがあります。

アルミナの結晶

天然にはコランダム、ルビー、サファイアとして産出されますが、このときのアルミナはコランダム(三方晶系)の結晶で産出されることが多くあります。
一方、人工サファイアとしては、結晶形態にはα、γ、δ、θがあり、多くの場合は、α-Al2O3で用意されます。

アルミナAl2O3の用途

アルミナ(Al2O3)は下記の用途に使われます。
・炉材(耐熱性、高強度)
・軸受
・切削工具、研磨研削剤(高硬度)
・電力輸送用絶縁碍子(電気絶縁性)
・IC回路基板(電気絶縁性、高熱伝導性)
・MHD発電用絶縁壁、スパークプラグ用絶縁体(電気絶縁性、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性)
・レーザー発振材料
・レーザー用窓材
・人工宝石(透光性)
・高圧ナトリウム灯用管材(透光性,耐熱性を利用)
・医療用(人工骨、人工歯根、人工関節)
・ウラン濃縮用ガス拡散多孔質分離膜(耐食性)

製造法:バイヤー法

Al2O3・3H2OまたはAl2O3・H2Oを主成分とする天然鉱物ボーキサイトに加圧下でNaOHを加えてアルミン酸ナトリウム(NaAl02)溶液とし、これを分解してA1(OH)3を析出させる。このA1(0H)3を高温焼成し、Al2O3を得ることができる。

製造法:アンモニウムミョウバン熱分解法

アンモニウムミョウバンの溶解析出を数回繰り返して得られる精製物を熱分解して製造する。純度4N(99.99%)の高品質なアルミナが得られる.

製造法:有機アルミニウム加水分解法

アルキルアルミニウムやアルミニウムアルコラートを加水分解して得られるアルミナゲルを焼成する。

製造法水中放電酸化法

金属アルミニウムの水中放電酸化によって作製する。