4.セラミックスの焼結

セラミックスの焼結について

原料を混合して、乾燥をして、成形ができたら、次に焼結(sintering)をします。焼結と書くとわからないですが、焼いて固める、という意味で、個人的にはクッキーと同じ原理(?)と理解しています。焼結の方法は、レンガを積み上げて焼く焼成窒、電気炉、上下でパンチで加圧しながら高温にするホットプレス、高温でガス圧を加えて焼結するHIP、電子レンジの容量でマイクロ波に使う、などなど。多くの焼結方法がありますが、いずれもセラミックスを扱う者としては覚えないといけません。とはいえ、よほどの大企業の人以外(私のような!)は、目で見ることは難しいのではないでしょうか。youtubeで検索するといろいろ出てくるので、Youtubeしかないかなぁというのが実情です。

目次

セラミックスの焼結
焼結の定義
汚染や割れ
電気コスト
緻密化

ホットプレス
SPS (放電プラズマ焼結)
HID (Hot Isostatic dressing:熱間等方圧加圧)焼結法
マイクロ波焼結法
2段階焼結法
反応焼結法
HIP焼結
常圧焼結

セラミックスの焼結

セラミックス原料の成形体は粉体同士の弱い結合力や糊の役目をするバインダ—などで一時的に形を留めています。これは、もろく軽く押すだけで崩れてしまいます。 そうした成形体を高温で焼くこと(焼結)することで硬くなります。陶器と同じですね。

焼結の定義

セラミックスの焼結とは、融点より低い温度において、細かな無機粉末粒の接触部分が成長して大きな粒子になる現象のことをいいます。

汚染や割れ

焼結の工程で気をつけないといけないことは汚染と割れがあります。温度など気をつけるのはもちろん、焼結後の製品の検査にチェックをしておかないと、不良品を納入してクレームになったり、加工の工程に迷惑がかかります。

電気コスト

また、ここで注意しておかないといけないのが、2000度に耐えるセラミックスを作るわけですが、これまた電気代がものすごくかかります。セラミックスの素材メーカーにしろ、なんにしろ、電気代との兼ね合いが経営の核のひとつだと思うのです。わずか1%減らすだけでも膨大な経費が節約されるようです。
3.11の福島原発事故以来、多くの議論がなされていますが、原発の是非は置いといても、電気代があがればあがるほど、日本でセラミックスはむずかしいんじゃないかなぁと思います。

緻密化

焼結の過程

焼結の過程

さて、セラミックスは原料を高温で焼結することによって、焼き固まります。高温であればあるほど、焼結はうまくいきますが、それはなぜでしょうか。
高温の中ではイオンが自由に動き回ることができます。動きまわれば回るほど、物質は常に小さくなります。もうちょっと踏み込んで説明すると、高温になり、イオンが動きまわると、原子のゴツゴツが丸く丸くなり、原子の間のスキマ(気孔)がなくなります。個人的なイメージだと、消しゴムのかすを集めた状態から、丹念に練るとひとつのまとまりになりますよね。
さて、高温によりスキマ(気孔)を緻密化と呼びます。
ちなみに気孔の割合を引いた値を相対密度と呼びます。
あと、気孔にも二種類があって、焼結体の外に開いている気孔を開気孔、内部に閉じ込められた気孔を閉気孔といいます。
ここまで書いてなんですが、ここまで話した焼結以外にも、液体で作ったり、気体で作ったり、最近では3Dプリンターなども出てきています。

熱成窯

熱成窯

焼結の基本は、「高温で焼く」ことです。高温で焼くことによって、固体中の原子やイオンが動き回ることができ、物質は、常に表面積が小さくなるように変化します。もちろん、温度が高ければ高いほど、早く進行することができます。そして、この成形体を高温で焼結す装置が“窯(カマ)”です。窯は薪だけでなく、電気やガス、石油などが用意られます。 また製品の形状や大きさは窯に依存するので注意が必要です。たとえば、トンネル炉やローラーハウス炉があります。

ホットプレス

ホットプレス

ホットプレス

ホットプレスとは、シリンダー状の型の中に粉末試料を入れ、上下からパンチで加圧しながら高温にする方法です。

SPS (放電プラズマ焼結)

SPS(放電プラズマ焼結)とは、型とパンチにグラファイトのような導電体を用い、そこに通電(パルス電流)することにより加熱すること。

HID (Hot Isostatic dressing:熱間等方圧加圧)焼結法

HID (Hot Isostatic dressing:熱間等方圧加圧)焼結法高温でガス圧を加えて焼結する方法です。

マイクロ波焼結法

マイクロ波焼結法とは、マイクロ波中に成形体を入れて焼結する方法です。電子レンジと同じ原理でマイクロ波により成形体が発熱して焼結するものです。内部から加熱されるのが特徴です。近年では個人向けに家庭用の電子レンジで焼結できるキットも売られています。

2段階焼結法

物質によっては微密性を出すため、二段階に分けて焼結する方法があり、それを2段階焼結法といいます。反応焼結法、HIP焼結、常圧焼結などがあります。

反応焼結法

窒化ケイ素焼結体は、反応焼結により作られます。ケイ素粉末の成形体を窒素中で加熱すると反応が進行して窒化ケイ素が得らますが、この反応と同時に焼結も進行します。
さらに後焼結を行います。ケイ素と窒素との反応を進めるには、窒素が成形体の内部まで浸透しなければならず、焼結体には多くの気孔が残ります。この気孔を除くため、再度焼結を行います。
焼結方法は、気孔に焼結剤を浸透させて後焼結する方法や加圧焼結する方法があります。

HIP焼結

HIP

HIP

HIP焼結は、成形体に高温でガス圧を加えることにより、等方的に圧縮しつつ焼結する方法です。このとき、直接ガスを加えると、粉体間の隙間を 通して内部にも圧力が伝わってしまい、圧縮する力が生じません。
そこで高温で軟化するガラスなどのカプセル内に成形体を閉じこめて行うのが一般的です。

常圧焼結

常圧焼結では、焼結の進行とともに、一部の開気孔は閉気孔へと変わって行きます。一端、閉じこめられた閉気孔はなかなか消滅しません。酸化物の場合、酸素雰囲気で閉気孔ができるまで焼結し、その後で低酸素分圧雰囲気で焼結すると、閉じこめられた酸素は、効率よく格子の中を通って外部に排出されます。