セラミックスの結晶構造

セラミックスの結晶構造

セラミックスはその特徴で結晶構造が多様です。たとえば、ダイヤモンドとグラファイトは同じ原子からできていますが、結晶構造がことなり、その性質も異なります。

目次

結晶構造
非晶質(アモルファス)
単位格子
単結晶、多結晶、粒界、空隙、空孔
等方性と異方性
不純物

結晶構造

結晶構造とは、原子の3次元配列のことです。金属のとる主な結晶構造は、立方晶と正方晶で、有機材料は大部分が分子の集合体ですが、高分子では多くは結晶部と非晶部が混じり合っています。有機材料の強度や耐熱性などの良い性質は結晶部分で発揮していますが、結晶部分は原子の配列が密に規則正しく詰まっているからです。ここのところは常識的なイメージでごもっともだなぁ、と思います。
結晶では全ての原子の手は結ばれており、非晶質では原子の配列が不規則で原子同士は全て結ばれておらず、未結合手(ダングリングボンド)があり、水素などの不純物(吸着子adatom)が原子の手を結びつけることによって安定させることができます。セラミックスはこの不純物をどうするか?で性質をコントロールすることも多いので、技術的な核心部分となります。

非晶質(アモルファス)

原子または分子が三次元的に不規則、乱雑に配列した固体の構造を非晶質(アモルファス) といい、非晶質物質の代表がガラスです。

結晶系の軸率と軸角

結晶系の軸率と軸角

単位格子

三次元の繰り返し単位は単位格子と呼ばれ、七つの晶系があります。三次元空間では理論上、230種あり、これを230の空間群と呼びます。230の空間群は32の点群(32結晶群)と14の空間格子(結晶格子)の組み合わせでできています。

単結晶、多結晶、粒界、空隙、空孔

単結晶:固体の端から端まで一つの結晶でできている固体(LEDは単結晶サファイアでできていますよね)
多結晶:複数の単結晶からできている固体を多結晶(体)
粒界  :単結晶と単結晶の境界
空隙  :結晶粒間の隙間
空孔  :結晶粒内の隙間

等方性と異方性

原子は規則的に配列します。その配列に対しても、原子の並び方がどの方向から見ても等しいと性質は等方性(どの方向から見ても等しい性質)と、原子の配列がそうでない場合は 性質は方向により異なる異方性の二種類があります。
さらに話は複雑になりますが、異方性を示す単結晶の中でも、一転、単結晶の向きをバラバラにした多結晶体は等方性を示すようになります。
また、多結晶体中の構成単結晶の方向(配向)を完全に揃えると単結晶と同じ方向依存性を示します。
だーっと書いてわかりにくくてもうしわけないのですが、要するに単結晶の原子配列を(人為的に)コントロールすることによって、単結晶の配向をコントロールすることによって高機能性をコントロールするができます。なお、セラミツクスの定義として配向した多結晶体をあげられます

不純物

セラミツクスや金属では大部分の工業材料は多結晶体と考えて間違いありません。とはいえ、実際的には結晶には異物の原子が入るなど原子の配列に不完全な欠陥ができます。不純物をできるかぎり入らないようにしようという方向性がある一方、あえて不純物をいれて、本来絶縁体のセラミツクスを半導体化(ある条件下で電気を流せる状態)させるなど、いろいろな方法があります。